kensaku

2014年7月28日月曜日

日帰り手術の麻酔


痔の手術は、一般的に下半身に効く腰椎麻酔が使われるが、術後すぐに動くと頭痛の副作用が現れるので、日帰り手術には使いにくい。

そこで当院では、確実性と安全性を考慮して、局所麻酔を採用しています。
歯科の治療で経験された方も多いと思いますが、手術する部位に直接薬を注射して、痛みを取る麻酔法です。
ただ、肛門周囲という敏感な部位に注射をすると注射自体が痛いですから、その前に点滴を行い(これは、手術中の異変に対する安全装置でもある)その中に、麻酔薬と鎮静剤を入れることにしています。

これによって、局所麻酔注射中からおしゃべりしながら無痛で手術を行うことができます。
あとは、手術中に患者さんを笑わせるくらいの『しゃべくり麻酔』ができるように、休日には寄席に通って勉強しています(^^)v

2014年7月25日金曜日

肛門狭窄の診断は難しい

裂肛(切れ痔)の手術理由に、肛門が狭くなる『肛門狭窄』があります。
傷のある肛門に、指を入れて判断するのだから、考えただけでも痛そう(-_-;)
乱暴に指を突っ込まれたら、誰だって反射的に肛門を締めるじゃないですか。

時々「肛門が狭いから手術が必要だと勧められたのですが…」
と言ってセカンドオピニオンのために来院する患者さんがいます。
肛門の傷に麻酔のゼリーをつけてから、そーっと指を入れると、全く正常な広さの肛門であることも少なくありません。

無麻酔で肛門狭窄の診断をしようなんてことは、無理に決まってますよね。

2014年7月3日木曜日

裂肛の手術適応

裂肛全体からすると、手術になるのは1割程度です。
では、その栄えある?『あんたは手術大賞』になるのは、どんな裂肛でしょう。

一つは、肛門が狭くなってしまって『肛門狭窄』と診断されるもの。
ただ、この肛門狭窄を正しく診断するのが意外と難しい。
痛い肛門に勢いよく指を突っ込まれたら、誰だって緊張して肛門を締めてしまいます。
私は、麻酔のゼリーを肛門内に入れて痛みを取ってから、そっと指を入れて診断します。

二つ目は、肛門から脱出する肛門ポリープを合併している場合。
25年間肛門科をやっていて、一例も治ったためしがありません。
肛門から出たり入ったりするポリープが、傷の治りを邪魔しているからです。